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現実になる場所。(4/24 広島カープ)

22番ゲート前の広場は、いつもより多くの人で埋め尽くされていました。
にも関わらず、いつもより静かでした。
ほとんどの人が静かに献花台や大型ビジョンを見つめていました。

この日は、木村拓也コーチの追悼試合。

自分も長い行列に並び、菊を供え、両手を合わせました。
向かい側には、広島時代も含めて4枚の木村コーチの写真。
「バカじゃないか」と思われるかもしれないけど、この時でも現実として受け止められなかった。

ジャイアンツ 7−4 カープ

(以下、長文です)

今年初めての観戦です。
ということで、7年ぶりに仰ぎ見る「NIPPON CHAMPIONS」のフラッグ。こちらも両チームの球団旗同様、半旗となっていました。

試合前には追悼セレモニーがありました。
現役時代の映像が流れた後、ボードを広げて応援歌を歌いました。
ボードの裏には、知らない人でも歌えるように歌詞が書いてありました。

歌い終わって、一瞬の静寂に包まれた後、「拓也」コール。
そして黙祷。

始球式は木村コーチの長男、恒希君。
どんな気持ちでマウンドに上がったのかは分からないけど、見事な球を投げ込みました。

ジャイアンツの先発は西村健。広島は左腕の青木高。それでも7番には高橋由伸、8番には脇谷と左打者が並んでいました。

両チームの選手の左肩には喪章が付けられていていました。

 

1回表:
先発は西村健太朗。いきなり先頭の東出にレフト線2塁打に打たれてしまいました。
梵のショートゴロで1死3塁になった後、天谷にレフトオーバーの2塁打を打たれ、あっさり点を取られてしまいました。0-1。
「球は走っているように見えるんだけどなあ…」
いつもと違うドームの雰囲気に呑まれてしまったんだろうか?

しかし、この後の1死1・2塁のピンチはしのぎました。

2回裏:
1死から長野が打席に。長野を生で見るのは初めて。すると応援団の方が
「もう長野の応援は覚えてくれたと思いますが…」
「覚えてねーよ」
と反射的に突っ込んでしまった。もちろん、いばって言えることじゃない…。
幸いにも「長野久義」コールも長野の応援歌も覚えやすいものでした。

長野がセンターフライに倒れた後、7番・高橋由伸がレフト左を破る2塁打。さらに脇谷がレフト前ヒット、2塁から高橋由伸がホームへ。

しかし、浅く守っていたレフト・中東が落ち着いてバックホームし、タッチアウト。
この激走の精神があれば、必ず点は取れる…というようなことを応援団の方が言っていました。まあ、次の打者は投手の西村健だったし…

3回裏:
2死から松本が変化球をうまく拾って、センター左に落とすヒット。
松本は完璧なスタートで盗塁を決めて2塁へ進むと、今度は暴投で3塁へ。
このチャンスに小笠原をファーストの左を抜けるヒットを放ち、同点。1-1。
4番・ラミレスにも期待がかかったけど、三振に倒れました。

4回表:
先頭の4番・栗原に死球。おそらくシュートだったと思う。
しかし、このピンチもショートゴロ併殺などでしのぎました。
西村健は2回、3回と三者凡退に抑えていて、やはり球が走っているようでした。

6回表:
先頭の東出に再び2塁打を打たれてしまう。梵がバントで送って1死3塁。
3番・天谷が粘る。おそらく10球以上は投げていたように思う。フォークを立て続けにファウルされた後、外のストレートで、なんとか三振に打ち取る。

4番・栗原には、内角を厳しく攻めた結果、四球。2死1・3塁。それにしても、前の打席に死球を与えているのに、胸元をえぐるとは大胆だ。

5番・廣瀬に代打が出て、前田。
「勝負に来ている…」
その前田を追い込んでから、外角のボールにハーフスイング。
「よしゃ!」
と思ったら、止まったという判定。
すると、3塁側エキサイトシート付近へのフライ。ボールを追った小笠原が身を乗り出して、シート内に倒れ込んでしまった。
「ケガしてないだろうなあ…」
この試合に賭ける気迫は伝わってくる。でも、だからといって、小笠原が負傷してしまっても困る。

結局、前田は四球で、2死満塁。
このピンチでも、コーチがマウンドに行く気配は全くない。「任せる」ということなんだろう。
その西村健は赤松をサードゴロに打ち取り、なんとか0点で凌いだ。
「すごい戦いだった…」
この回の攻防に、すっかり圧倒されていました。
でも、これはまだ「始まり」に過ぎませんでした。

6回裏:
1死から阿部の打球はレフトポール際へ。
「切れるかな…」と思って見ていたら、ホームラン。
青木高の前にずっと抑え込まれていただけに(とくに低めの変化球に)、貴重な勝ち越し点。2−1。
後続は倒れました。

7回表:
小窪を三振に打ち取った後、倉の代打・ヒューバーに四球。
青木高に代打・嶋が告げられた所で山口に交代。山口は7番・高橋由伸に代わって入り、9番にイ・スンヨプがファーストで入りました。
ベンチに下がる西村健に拍手。
「今までに見た中で、今日(のピッチング)が一番よかった」
と言ってしまうくらいの好投でした。

山口がマウンドに上がると、さらに代打が出て會澤。
この初球を阿部が前に弾く。それだけなら問題なかったけど、見失ってしまい、走者は2塁に。
山口はその後もストライクが入らず、カウント0−3。
「え?」
會澤はこのカウントからセンター前に弾き返し、1死1・3塁。
どんどん悪い状況になっていく。
1番・東出には三遊間を破られて、同点。2−2。
なおも1死1・2塁のピンチだったけど、山口は梵、天谷と打ち取りました。

8回表:
この回から、投手は越智に交代。
越智も調子が上がらないのか、栗原・末永と連打されて無死1・2塁。
続く打者は赤松。まずサードが突っ込むバントシフトと見せかけて、セカンドに牽制。
それを見た瞬間、去年の大学選手権決勝 がフラッシュバックしました。
「バスターがあるかも…」
そう思っていた3球目。赤松は始めからバントの構え。巨人の内野陣がチャージする。危ない。
しかし、打ち上げた打球は1塁側の内野スタンドに消えていきました。
赤松は次の球をスリーバント失敗。この打席で何度もバントを試みながら、始めからバントの構えをしていたのは、バスターをした3球目だけ…。
「それなら始めからバントの構えをして、きっちりバントすればいいのに…」

しかし、越智は小窪に四球を与え、1死満塁。

中東の打球は鋭い当たりとなってレフトへ。ラミレスが押さえたものの、3塁から栗原が還って逆転。2−3。
さらに2死2・3塁だったけど、石原を三振に打ち取り、1点で凌ぎました。

8回裏:
この回から広島の投手は高橋建。久しぶりに見るけど、広島時代に抑えられたイメージしか残っていない。

先頭の小笠原が四球で出塁すると、代走・鈴木尚広。
ラミレスはファーストの左を抜けるヒット。打球は、鈴木尚広の少し先を抜けていったために、鈴木尚広はスタートが遅れてしまい2塁にストップ。無死1・2塁。ラミレスに代走・古城。

前の打席でホームランを打った阿部。この試合初めてのチャンステーマ、「ファイター」。残念ながら阿部はボテボテのファーストゴロで、1死2・3塁。

すると広島は6番・長野を敬遠。
「ええ!?」
驚いたのは、越智の代打として谷がネクストで準備していたにも関わらず敬遠したこと。

ここから「Gフレア」に突入。
4球目。自分の目が信じられませんでした。
あの時のように打ってほしい、と思っていました。
それでも、それだからこそ、目の前で起こっている事が信じられませんでした。
そのくらい谷のバッティングと打球は、去年のクライマックスシリーズ第4戦 と同じものでした。
何も言えないまま、レフトスタンドにボールが消えるのを見届けると、タオルをつかみ、ビバジャイアンツを3回。6−3。

脇谷が倒れた後、イ・スンヨプがライトスタンドにソロ。7−3。
こうして、8回裏に5点を入れました。
「まさか、高橋建をボコボコにする日が来るとは…」

9回表:
クルーンがマウンドに上がりました。
広島の打順は1番に戻って、しかも3安打と好調な東出。
その東出に四球を与えると、石井琢朗の2塁打で1点を返されましたが、栗原・末永と打ち取って試合終了。7−4。

 

ヒーローインタビューは谷でした。
アナウンサーの方が、谷を泣かせようとしているように見え、そこがひっかかりました。
が、谷が話しながら涙を見せると、こちらも涙をこらえるのに大変でした。
谷が木村拓也と同級生だったとは知らなかった…

2次会の頃には22時を過ぎていました。
この時になって初めて気づいたんだけど、応援団の方も左肩に喪章を付けていました。

トランペットも太鼓も無い中で、谷や西村健等の応援をしました。そして木村拓也も。
「拓也と掴むぞ、日本一」コールをしました。

 

「すごい試合だった…」
そういう言葉を何度もつぶやきながら、ドームを後にしました。
 

83G-Po(ジーポ)

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