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7/30 JAXA相模原キャンパス特別公開(後編)

今回も、JAXA相模原キャンパス特別公開の様子をだらだらと書いていきたいと思います。

前回の続きです。
前編は、こちらです。
また去年(2010年)の特別公開については、こちらです。

 

おことわり:しつこいようですが、yochiはど素人レベルです。丁寧な説明をいただいたにも関わらず、内容を誤解したり、そもそも理解していない可能性があります。ご了承ください。この駄文から特別公開の雰囲気、楽しい雰囲気を読み取っていただければ幸いです)

はやぶさ:
相変わらずの人気でした。
あまりの人の多さに一度はほとんど見ないで通り過ぎ、夕方に再度訪れたほどです。

その時でも、はやぶさチームのサインを集めて回る少年に、チームの人と一緒に記念写真に収まる女性…。
ここだけ雰囲気が違っていました。

 

さて、肝心の展示ですが、今年は、サンプルの分析に重点を置いたものになっていました。

まずはキュレーション。
これが手間のかかる作業で、微粒子がなかなかつかめないのだとか。
「うまくいけば1日5個、ダメな時は3〜4日に1個…」
…絶対やりたくないな、この仕事。
正直、そう思ってしまいました。

そうやって、苦労して集められたサンプルは、各大学等に配布され、分析も進んでいるようです。

 

その横では、分析結果の「第1報」を説明していました。
ここで、大失敗です。
分析した結果をわかりやすくまとめたパネルがあったのですが、写真に撮り忘れてしまいました…。

仕方がないので、以下、メモから簡単にまとめます。

  • 太陽風による風化が確認されたとのこと。検出された希ガス同位体は太陽風によるものと一致し、地球の大気とは全く異なっていたのだとか。
  • 「イトカワ」はもっと大きかったとのこと。複数の鉱物(?)が検出されたが、溶けて混じり合っているものとそうでないものとあった。「イトカワ」くらいの大きさでは熱がこもらず、溶けないはず。だから、元は大きかったのではないか。

といったお話でした。

「はやぶさ2」に向けて、準備も進んでいるそうです。
「はやぶさ2」では、失われやすい有機物や水の採取を目標としているため、分析にも、より高い精度が求められるのだそうです(より大きい試料もですが)。
今回よりも「高い精度」て、気の遠くなるような話だ…。

「こんな分析ができるのは、日本だけですよね」
そう水を向けられると、係の方はきっぱり答えました。
「NASAの『オシリス』は予算が数倍で、ロボットアームで石をつかんで持ってこようというものです。成功したら、研究そのものが変わります」

ですよね…。
NASAは金持ちでいいな…。

 

あかつき:
子ども達がスタンプを集めて回り、90気圧実験に群がります。
正直、去年12月の金星軌道投入失敗の陰があるかと心配したのですが、「あかつき」のブースは「はやぶさ」とは違った意味で賑やかでした。

「これは超高安定発振器『USO』といいます。日本語だと変ですが、ドイツ語で『ウーゾ』というと担当が喜びます…」
…そ、そうなのか。
それはともかく、この説明を聞いて観測機器に興味が出て、子ども達に混じってスタンプを集めました。
できあがったのが、これです。

Photo_2

あかつきに搭載されている5つのカメラ。
このカメラのスタンプを所定の位置に押していくと、それぞれのカメラで撮影した金星の写真と対応するようになっています。
うまく作ってある…

 

隅には「千のあかつき」。
「千羽鶴」になぞらえて、あかつきのペーパークラフトを千個ということだったのですが、最終的に約4千個ものあかつきが集まったそうです。
そのうちの半分が、ここに飾られていました(残り半分は一番下を参照)。

Photo_3

「わあ!飾っといてくれたんですか!」
女性の声が聞こえてきました。
「私のもあるかな?100個くらい作ったんですよ」
…そりゃ、絶対あるよ。
そう心の中でツッコミましたが、正直、うらやましかった…。

 

1人の男性が現れて、雰囲気が変わりました。
その方は重要な立場にある人のようで、たちまち人に囲まれました。
その輪に加わって、お話を聞きました。
以下、簡単にまとめます。

  • 2015年の周回軌道投入、金星初の「気象衛星」を目指す。不具合のあった主エンジンを9月に仮噴射(おそらく複数回)。ダメなら姿勢制御エンジンで軌道投入を試みるが、この場合、当初予定していた軌道には乗れないだろう。
  • 金星より内側を飛んでいるので、フィルムが劣化し、熱で機器が傷まないか心配。もっとも、4月の近日点は心配にならないレベルだった。
  • 6月に行った太陽の観測について。今回は好条件が揃っていて(太陽に近い、超高安定発振器(USO)、分解能の高い記録装置など)、「おもしろいデータ」が取れたようです。次のチャンスには「また、やりたくなるでしょうね」とのことでした。

主エンジンで起こった不具合の原因も、丁寧に説明していただきました。
ただ、これは誤解していると本当にシャレにならないと思いますので、ここに書くことは控えたいと思います。
ただ、
「外国はノウハウを持っているかもしれない。勉強していきたい」
と話す様子に、研究者らしい、真摯な感じを受けました。

 

9月の仮噴射がうまくいくことを、心の底から祈っています。

 

イオンエンジン:
イオンエンジンの実演に並びました。
「あまり光らないので、がっかりしないで下さい」
と言われて、覗くと、
「はっきり、見えるじゃ!」
思わず方言が出てしまうほど、はっきり青白い光が見えました。
その様子は、まるでTVで見たのと同じ…て、つまらない感想だな。

 

さて、「はやぶさ」に使われたイオンエンジンですが、今も開発が続けられています。
より大きく、より高出力に…
そんな中、一つだけ直径1cmの小さなエンジン(μ1)がありました。
「これ、何に使うんですか?」
と、思わず聞いてしまいました。
説明によると、精密な姿勢制御や小型衛星に使われるのだとか。
需要があるかどうかは、自分にはわかりません…。

 

満足して出口に向かおうとしたとき、1つのパネルに気が付きました。
「大気吸込式イオンエンジン」
「なんだ、こりゃ??」
立ち止まって、見入ってしまいました。

180(だったかな?)〜250km(パンフでは60〜200km)の高度は、わずかに存在する大気の抵抗で、衛星を打ち上げてもすぐに落ちてしまうのだそうです。
そこで、この「大気吸込式イオンエンジン」
大気の抵抗を、このエンジンの推力でカバーするのだとか。
ここまでは他のエンジンでもできそうです。
このエンジンのすごい所は、「大気吸込式」という文字通り、高層大気を推進剤として利用するところ。
このため、地上から持っていく推進剤を大幅に削減できる一方で、長期間の運用もできるのだとか。

「これはすごい!」
詳しい話を聞こうと係の方を探しましたが、ますます長くなる行列に手一杯の様子。
あきらめて外に出ました。来年にでも聞こう。

 

プラズマセイル:
「あれ?帆は?」
セイルと言うから、ソーラーセイルの「イカロス」のような機体を想像してしまいます。
しかし、このプラズマセイルは、目に見えない「磁場の帆」を張り、その「帆」に太陽風を受けて進むのだそうです。
「帆」の大きさは数十km。

「問題はコイルの重さなんですよ」
て、電力もかなり要るんじゃないの?
「これは超伝導なので、抵抗が0です。最初に電流を流せば、それほど要りません」
「超伝導なら、かなり低温にしなければいけなかったと思いますが?」
「太陽側を断熱し、反対側で放射冷却すれば可能です」
太陽から離れた所へ行くため、これで大丈夫なのだとか。

…すごいことを思いつくもんだ。
イカロスのソーラーセイルと、はやぶさのイオンエンジンを組み合わせたものが未来の探査機だと思い込んでいました。
まさか、こんな研究もしているなんて…。

地球の磁気圏の外で実証したいということでした。
実証機の打ち上げは、2015年を目指しているそうです。

 

ぼう然とした気持ちで、外に出ました。
「毎回、毎回、ここの人たちは驚かせてくれるなあ…」
毎回と言っても、2回(去年と今年)だけなのですが。
とにかく、「大気吸込式イオンエンジン」とか「プラズマセイル」とか、発想が斜め上のものばかりです。
「一体、何を考えてるんだろうなあ…」
つい、つぶやいてしまいました。
決して、悪い意味ではありません。念のため。

 

いつの間にか、片付けが始まっていました。
結局、第4会場、第5会場には足を踏み入れないまま、帰ることになりました。
途中、ふとイカロスのブースを覗いて見ると、数時間前と全く同じ場所で、M先生が熱弁を奮っていました。
「このデザインは、最も無難なデザインで…」
先生はずっと、ここで話していたんだろうか?
すごいパワーだ。


「1日じゃ、とても足りなかったな」
そう言うと、
「2日でも足りなかったよ」
と返されました。
…そこまでか。
「ところで、1日目はどこを回ったの?」
「M先生の話をずっと聴いてた」
「…それじゃ、何時間あっても足りないよ」

来年も行くことになったら、時間配分をしっかり考えよう。

 

おまけ:
さて、隣の博物館では「宇宙とつながる私たち」という展示がやっていたので、合間に素早く覗いてきました。
最後に、その写真を貼っておきます。

Photo_2

あかつきのペーパークラフト、「千のあかつき」の残り半分です。

Photo

相模原キャンパスを出発する「あかつき」の写真(上)と、ファンの方から贈られた、手作りのグッズ。

Photo_3

こちらはIKAROS…というより、イカロス君の手作りグッズです。

他にも「ボイジャー」に搭載されたレコードの模型や、公式で使用されている探査機の絵などが展示されていました。

 

もっとも、自分が強いインパクトを受けたのは、やっぱり「あかつき」や「イカロス」の手作りグッズです。
グッズを作るのには、大変な労力、時間が必要だったはずです。
これらの作者を衝き動かしたのは、何でしょうか?
擬人化されたキャラクターなのか、ミッションが持つ魅力なのか、ISASの人たちへの共感なのか…

 

このような素敵なグッズを作ることは、自分にはとてもできません。
それでも、この日の後、宇宙関係の本を何冊か買い、長々とこんな駄文まで書いています。
なにがそうさせるのか、正直、自分にもよくわかりません。
おそらく、これが、自分なりの「つながり」なのでしょう…。

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