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7/27-28 JAXA相模原キャンパス特別公開2012(後編)

今年は、7月27日〜28日の2日間、特別公開に行ってきました。
この2日間で、たくさんの方に貴重な話を聞き、たくさんの興味深いものを見せていただきました。

遅くなりましたが、今回も写真を貼って、それについて書いていきたいと思います。

(前編はこちら。過去の特別公開はこちらです。20102011前2011後

 

(おことわり:これも毎回書いていますが、yochiはど素人レベルです。丁寧な説明をいただいたにも関わらず、内容を誤解したり、そもそも理解していない可能性があります。ご了承ください。この駄文から、特別公開の楽しい雰囲気を汲み取っていただければ幸いです)

ASTRO-H:
この「ASTRO-H」は、まだ打ち上げ前のX線天文衛星…て、去年も書きましたね。
「ASTRO-H」という名前は、正式名称ではありません。念のため。


 

「 一杯、写真を撮ってください」
と声をかけられたので、図々しくも撮影させていただきました。
これで、1/10サイズだそうです。

Astroh

後ろ、というか右下に伸びている部分、実際には6mというから驚きです。
そんなに伸ばす理由は、X線がなかなか曲がらないから(と、去年聞いた気がする)。
ちなみに、先に付いてる機器は百数十kg(だったと思う)
それで、間の支柱部分は三角で、丈夫な構造になっているのだそうです。

この後、リーフレットを手に、中の人に詳しい説明を頂きました。
それによると、この重たい硬X線撮像検出器の他、軟X線分光検出器、軟X線撮像検出器、軟ガンマ線検出器といった合計4の機器を搭載するのだとか。

このうち、一番の目玉は軟X線分光検出器。
数cm角の検出素子を-270℃に冷却するそうです…て、絶対零度近くじゃないか。
もっとも、この写真には写っていません。太陽電池パネルとは反対側、言ってみれば「腹」の部分にあるから…

「あれ?(X線天文衛星なのに)ガンマ線検出器も付いてるんですね?」
そんなバカな質問にも、丁寧に答えていただきました。
波長が近いので幅広く観測するため(※)ということでした。
(※これは、自分のような素人向けに、わかりやすく答えてくれたのだと思います)

 

ちなみに、「先」の方はこんな感じ。

Astroh_2

反射鏡も一杯付いてますね。

しかし、格好いいな、この模型。
見かけだけなら、一番好きかも。

 

「ひので」、「SOLAR-C」:
「ひので」は太陽観測衛星です。金星の太陽面通過では迫力のある映像を送ってきました。
「SOLAR-C」は計画中の太陽観測衛星です。こちらも正式名称ではありません。念のため。

実は、今回、一番狙っていたのはこちらでした。
まずは、今年、金環日食と金星の太陽面通過というイベントが続いたこと。

そして、何より、前回と前々回、人が多くて近づけなかったから。

今年は、第1会場1階奥の広いスペースを使っていて、「ひので」が撮影した、迫力ある太陽の映像(もちろん動画)を、大スクリーンで映し出していました。
もちろん、人も例年以上に多かったのですが…

その、大活躍の「ひので」の模型です。
これで縮尺が「何分の1」だったかな? 忘れてしまった…

Photo_2

左の細長い望遠鏡がX線望遠鏡で、金環日食はこれで撮ったそうです(「ひので」からは「部分日食」だったそうです)。
真ん中の大きい望遠鏡が可視光・磁場望遠鏡で、金星の太陽面通過の写真はこれで撮ったそうです。

Photo_3

金星探査機「あかつき」の所にあったパネルです。

ちなみに、自分はどちらも見られなかった…。

 

太陽にはまだまだわからないことが多く、太陽の周りにあるコロナの方が、その下の彩層や光球よりも温度が高い理由も、太陽フレアがどのタイミングで起こるかなどもわからないのだそうです。

そこで登場するのが、計画中の「SOLAR-C」。
この衛星では、「ひので」より大型の望遠鏡を搭載し、彩層からコロナまで立体的に磁場の観測を行うのだとか。
…などと書きましたが、自分でもよく理解できていません。残念ながら。

一つわかったことは、予習したつもりだったけど、全然、頭に入っていなかったということです。
また、勉強することにします。
せっかく説明を頂いたのに、理解できなかったではもったいなさすぎるから…。

 

最後に、気になる話を伺いました。
SOLAR-Cの軌道は、まだ決まっていないということでしたが、
「準天頂軌道がいいと思うんだよね…」
準天頂軌道と聞くと、GPSを補完する「みちびき」を連想してしまいます。
そこに、この太陽観測衛星を打ち上げるの?
すると、理由を説明してくれました。
「熱環境が安定しているし、24時間、アンテナを向けられるから」
その発想はなかったなあ…。

 

「IKAROS(イカロス)」:
あかつきと一緒に打ち上げられた、ソーラー電力セイルです。スピンして帆を広げ、太陽の光を受けて進みます。「逆スピン」にも成功しましたが、今は冬眠中です。

 

…もう何回も話を聞いてるしな。
プロジェクトリーダー・M先生のお話は、去年9月、静岡のグランシップで開催された講演会でも聞いています。
それで、最初は一番後ろで聞いていました。
が、どんどん話に引き込まれ、最終的には、一番前でかじりつくようにして聞いていました。
その要点を書いていきたいと思います。

まず、おそらく多くの人が疑問に思っている、この質問から。

  • なぜ「逆スピン」にしたのか。

イカロスはスピンしていて、その遠心力で膜を広げています。
そのスピンを逆にする「逆スピン」は元々、想定していなかったそうです。
というのも、「逆スピン」にする直前には、回転が「0」になるから。
この「0」になる瞬間には、遠心力が働かなくなり、
「グシャっとなる」
と思われていたからです。

 

ところが、イカロスには、スピンとは反対方向に「風車(ふうしゃ)効果」が働いていました。
それで、1分間に1回転を切ると、ガスを噴いて回転を上げていたそうですが、
「回転が低くなったらどうなるか、やってみたいとなりますよね?」
なぜか同意を求める先生。
そして、畳み掛けます。

そうこうしているうちに、燃料が無くなってきた。
放っておくと、回転が0になる。
どうせやるなら「逆スピン」をやろう。
一度、逆回転に入れれば、今度は回転が速くなって、安定するはず…

「それで、(去年の)10月18日に『打って出た』ということです」
その結果、とくに「グシャっとなる」こともなく(その理由はわからないようですが)、「逆スピン」に移行できたようです。

なるほど。よくわかりました。
「去年の特別公開では、『逆スピン』に否定的だったくせに」
というツッコミは、心の中にしまっておくことにします。

 

では、今はどうなっているのだろう?
「いくつかのシナリオがあります。一つは(スピンは)頭打ちを打ったというもの、もう一つは、逆回転に入ったというものです」
「え?」
…スラスタも噴いていないのに??
当惑する私たちに、帆の形が変われば、ある条件が整うと、逆向きがある。
と説明してくれました。
それどころか、
「正逆の無限ループに入っている可能性もあります」

必要なデータはほとんど取れているそうですが、これを知るためだけにでも、もう一度通信が復活してほしいものです。(勝手な人)

 

そして、もう一つ、驚いた話を。
それは、ある質問からでした。

「科学未来館での講演で、トロヤ群小惑星のサンプルリターンをやると言ってましたが、本当ですか?」

「ええ!?」
思わず叫びました。
自分だけでなく、横で聞いていた人は皆、驚いていたと思います。

M先生は、しばらく、ばつが悪そうにしていましたが、やがて口を開きました。
「勢いよく、言ってしまいました…言い過ぎました」
一転して、笑いに包まれました。
…勢いで言っちゃうんだ。

その後の言い訳説明は、次のとおりです。

  • サンプルリターンだけに特化すればできるかもしれないが、他とのバランスもある。日本は、木星探査をやったことがない。いろいろな機器を持っていきたい。
  • トロヤ群小惑星は、世界の誰も行けない所。サンプルリターンをやらなくても、見るだけでも価値がある。

…サンプルリターンをやれなんて、誰も言ってないよ。
そんな思いをよそに、先生の話は続きます。

「2025年は『木星年』。日本だって木星に行きたい!」

木星年にはNASA、ESAも木星探査をやるそうで、もちろん、一緒にやれば、得られる成果も大きくなります。この機会は生かしたいものです。
そう思った時に、言葉を付け加えました。
「…予算1/10のくせに」

M先生の話は大変面白く、今年も長居をしてしまいました。
その内容をうまく伝えきれないのが、もどかしいくらいです。

 

いつの間にか、終了の時刻が近づいていました。

最後に、「あかつき」の所に行ってみました。
去年、「あかつき」の状態を説明して下さった方をお見かけしました。
人に囲まれていたため、直接お話は聞けなかったのですが、その表情が明るくてホッとしました。
状況は、あまりよくないかもしれません。
でも、少しずつでも前に進んでいるのでしょう(たぶん)。

来年、再来年と少しずつ前進して、2015年には、いい報告を聞かせてくれるはずです。
そして、得られた観測成果で、自分をちんぷんかんぷんにしてくれることでしょう。今回の「ひので」のように。

その時、話の一部でも理解できるように、自分も、今から勉強していかなければ。

 

関係者の皆さま、本当にありがとうございました。
また、出直してきます。

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