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7/27 JAXA相模原キャンパス特別公開2013(トークイベント編)

ちょっと日が経ってしまいましたが、今年もJAXA相模原キャンパス特別公開に行ってきました。
そのことを書いていきたいと思います。

 

7月と言えば、JAXA相模原キャンパス特別公開(※あくまでも、個人的な意見
です)。
今年も日程のチェックを始めましたが、そこで手が止まりました。
…さて、今年はどうするかな?
この特別公開に行くのも、今年で4回目。
会場のほとんどを見た気もするし、どこも見足りない気もするし…

そんな中、気になるイベントを見つけました。
その名も、

大学・研究機関連携トークイベント「宇宙と海に生命を探す」

下には、
「この夏、あの熱い2人が仲間を連れて帰ってくる!」
の文字。
あの熱い2人…
矢野創先生と、JAMSTEC(海洋研究開発機構)の高井研両先生とで行われた去年のトークイベントは、好評だったと聞いています。
…じっくり聴いてみるのもいいかも。
そう考えて、このイベントをメインに行くことにしました。

今年になってから、ダイオウイカに、深海5,000mからの生中継と、深海の話題ばかりだったし。

 

このトークイベントの様子を、自分が理解した範囲で書いておきたいと思います。

(おことわり:yochiはど素人レベルです。素晴らしい話を聞いたにも関わらず、内容を誤解したり、そもそも理解していない可能性があります。ご了承ください<(_ _)>)

というわけで(?)、朝からJAXA相模原キャンパス…の隣、相模原博物館に並びました。
すでに行列ができていて、一瞬ヒヤッとしましたが(定員は200人)、それでも前の方の席を確保できました。

 

今回のトークイベントは、講師が4人。
冒頭、この4人が自己紹介。
最初は高井研先生。
…この前の生中継、「しんかい6500」に乗り込んだ人だ。
その高井先生は期待に反し(?)、普通によろしく、と挨拶。
しかし、ここから司会の方がいじります。
「深海アトランティス連邦(だったかな?)首席補佐官」。
と勝手に「肩書き」を紹介すると、謝礼が出ないことをツイッターで嘆いていたからと、「きのこの山」をプレゼント。
「中継を見た人なら、わかりますね」
会場から笑いが起きました。
そう、高井先生は「きのこ派」で、しんかい6500にも持ち込んでいて…そして、溶けた

司会の方は、さらに畳み掛けます。
「でも、本当はこっちですよね」
取り出したのは「たけのこの里」。
再び、会場は笑いに包まれました。きのこたけの…いや、この話題は止めておこう。

こうして、トークイベントは和やかな(?)雰囲気の中、始まりました。
…こんな自己紹介、自分だったら耐えられない…。

 

このトークイベントは、まず講師4人が講演を行い、最後にパネルディスカッションという形でした。
よくある形なんだけど、予想外の方向へ進んでいくことになります。
まずは、講演を簡単にまとめます。

 

講演1 深海底に生命を探す~生命を見つけるためには何が必要か~
     海洋研究開発機構(JAMSTEC) 高井 研 先生


高井先生は、最初から「必要」なものを上げました。
「やる気、元気、イワキ!」
よく知らないのですが、関西では、「いわきノ○子」さんのキャッチフレーズとして有名なようで…
印象的な言葉で聴衆を引きつけた後は、「美味し○ぼ」を引用して、
「生命とは何なんだ?考えたことあるのか?」
笑いをとりながら、巧みに疑問を投げかけます。

縦軸に電圧、横軸に電力をとった「生命存続条件」(だったかな?)を示したかと思うと、エネルギー(太陽エネルギー、地球内部のエネルギー、潮汐エネルギー)の視点から説明。
これらがとても新鮮に思え、じっくり聞きたいところでしたが、去年もやったということで、話は「駆け足」。
そのスピードはメモも取れなければ、理解も追いつかないくらい。
土星の衛星、エンセラダス(※)に行って(去年、そんな話が出たらしい)、何をするのかもわかりません。
…去年も聞いておけばよかった。
つくづく、そう思いました。
※「エンケラドゥス」とも言いますが、このトークイベント中はずっと「エンセラダス」だったため、それにならいます。

 

講演2 火星土壌に生命を探す~火星生命は地球生命の親せきか~
     東京薬科大学  山岸 明彦 先生

冒頭、高井先生を引き合いに出し、
「科学者はみんな、自分が正しいと思っている」
会場からは笑いが起きましたが、今から考えると、この時点できな臭かった…
それはともかく、山岸先生は、とても丁寧に説明してくれました。

火星に着陸した探査機の写真を見て、「(生命は)いねーな」と思ったという山岸先生。
火星生命探査の誘いにも、「やだ」と答えていたのだとか。
それが変わったのは、チリのアカタマ砂漠の調査。
大気圧も少なく、雨も降らないこの砂漠にも、意外に微生物がいたから。
…結構、現実的なんだな。

そんな山岸先生の「作戦」は、探査機で蛍光顕微鏡を持っていくこと。
これで微生物を探し、もし見つかったら、アミノ酸分析や系統樹作成をしたいとのことでした。
この辺も丁寧に説明されたのですが、なにせ、自分の理解力が…

 

講演3 宇宙空間で生命を育む~宇宙ステーション実験から宇宙農業まで~
     JAXA / ISAS  橋本 博文 先生


「宇宙で生命は生きていけるか?」
この疑問に、真空ポンプに植物を入れて実験したという話。
このような実験をすると、真空ポンプが不純物で汚れてしまうため、実際にやる人はいないのだそうです。

その様子を、こちらも丁寧に説明してくれました。
詳細は省きますが(おい!)、かなりの確率で発芽し、栽培もいけそうです。
そこで、先生が提案するのが、1/100気圧(だったと思う)の純酸素でビニールハウスを作ること。
これを火星中に並べ、農場にするのだとか。

ここまで聞いて、
…そう言えば、数年前には「宇宙農業」のブースがあったな。
と思い出しました。
…たしか、カイコを使った「火星クッキー」を試食させていたっけ。
すると、
「数年前、この特別公開で食べさせている人がいましたね」
と、低圧環境でのカイコの話になりました。
なんだ、このシンクロ率…

話が逸れましたが、低圧環境でカイコを飼育した結果も、意外に大丈夫(成長は悪いそうですが)。

この講演も笑いありの、楽しい講演でした。
何より、実験の話が中心だったので、わかりやすいこと。

 

講演4 生命の原材料を運ぶ宇宙塵 ~スターダスト、たんぽぽからエンセラダス探査へ~
     JAXA / ISAS  矢野 創 先生

「宇宙塵が積もれば地球になる」
そういう矢野先生が研究するのは、もちろん、宇宙塵。
その成果は、ダスト円盤(原始太陽系の元…で合ってるかな?)から生命の誕生まで。
研究方法も、宇宙から降って来た物を調べることから、望遠鏡、スペースシャトルや飛行機を使ったものと、幅広いのだそうです。
今回のお話では、試料を持ち帰る「サンプルリターン」がメインでした。

まず、現在、計画が進んでいるのは「たんぽぽ計画」。
国際宇宙ステーションで「エアロジェル」を用いて、微生物を採取するのだとか。
高度400kmの上空で、微生物が採取できる可能性があること自体、驚きです。

 

そして話は、土星の衛星「エンセラダス」へ。
エンセラダスは直径500kmと大きな衛星ですが、その最大の特徴は、表面から水や塩を噴き出していること。
ここに探査機を飛ばし、この「噴水」を通って、「たんぽぽ計画」のエアロジェルでサンプルを採取、持ち帰る…

ここまで聴いて、ようやく合点が行きました。
矢野先生の講演が最初だったらよかったのに…

もちろん、エンセラダスのサンプルリターンはJAXA非公式。
「今、我々の時代の技術で、できるのは『エンセラダス』」
矢野先生は、そうまとめると、
「何ができないか」ではなく、「どうすればできるか」に集中しよう」
と締めました。

これで各講演は終わり、講師4人によるパネルディスカッションが始まりました。

 

パネルディスカッション 「アストロバイオロジーとは何か」

最初のうちは、
「地球でのみ検証された生物学を、宇宙のどこでも通用する、普遍的な知識体系に飛躍させる〜」
などと話は進んでいました。

そして、テーマが「生命(Life)とは?」になった時でした。
「数えられないとダメ。皮膚/膜で囲まれている…殖えないといけない」
そういう山岸先生に、高井先生がつっこみます。
「生き物と生命は違う」
この時には、
「我々が生命を1種類しか知らない」
「エンセラダスでも火星でも、どこかで1つ生命を見つければ変わる」
などと、一度は落ち着きました。

 

そんな時、矢野先生が「RARE EARTH」という雑誌の表紙を映しました。
意味は、「希土類元素」ではなく、「たぐい稀な地球」。
意外なことに、これが着火マン…いや、火種になりました。

「地球はどこにでもあるよ」
と指摘する山岸先生に、
「ぼくは『レア・アース』と思う」
と、高井先生が反論します。
「グレート・オキシ(※)…生命が惑星環境を変えている」
※メモはここで切れてるけど、調べたところ、”Great Oxidation Event”(大酸化事変)のことかな。約20〜25億年前、酸素が急激に増えたらしい。

「これは必然とは言えない…」
などと言っていると、横の山岸先生にマイクを奪われました。
その後も、
高井:「カタストロフィック(破局的)に(酸素が)増え、フィードバックがかかる可能性もあった」
山岸:「それは、進化論で説明できる」
などと、2人でマイクの奪い合い。
その度に、会場から笑いが起きました。

 

このやり取りの中で、素人目にも、2人の考え方の違いが明らかになってきました。
「伝統的な」生物学の延長にある山岸先生に対し、エネルギーや環境という視点も含めて、生命を捉え直そうとする高井先生。
そして、自分が心惹かれたのは、高井先生の方。
その言葉の端々から見える「新しい考え方」に、興奮しました。
信じてもらえないかもしれないけど、ちょっと震える気がしたくらい。
前日に「深海展」を見た影響か、元々生物学に疎いせいか、あるいは単なる気の迷いか…
…まあ、周りの人と一緒に、笑い転げていたのですが。

 

「山岸先生は楽観的」
高井先生がそう言ったのは、「生命探査では、何を探せばよいのか?」に話が移った時。
「(惑星のパターンが)物理と化学(反応)からずれる。その現象を見つけに行く方がユニバーサル」
これは、前のグレート・オキシ…を踏まえてだ思う。

マイクを奪った山岸先生も、その方法が系外惑星とかで、生命を探す「場所」を見つけるには有効と認めました。
その上で、「タイタン」や「エンセラダス」では有機物がある可能性が大きいことを指摘。
「…なのに、なんで他のことを考えなきゃいけないのですか?」
皮肉っぽい口調で応じたところで時間になり、矢野先生が「この続きは来年」と言うと、会場は大きな拍手に包まれました。

 

「すごい話だったなあ…」
会場を追い出され後にする時になっても、まだ興奮は収まりません。

ふと、
「『科学者はみんな、自分が正しいと思っている』…」
山岸先生の言葉を思い出しました。
「それを実証するような話だったなあ…」
パネルディスカッションでのマイクの奪い合いなんて、初めて見ました。
一見、大人げないように見えるけど、こうした「熱さ」が、研究を前に進める原動力なのでしょう。
それを垣間みることができただけでも、貴重な体験でした。

…でも、やっぱり、大人げないな。

 

さて、自宅に帰ると、早速ポチってしまいました。

3

高井先生の著書。
がんばって勉強してみます。

来年の「再戦」の時、もっと話が理解できるように。

それにしても、きのこ派の影響を受けるとは…(byたけのこ派)

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