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The Biggest Day(9/28 ラグビーワールドカップ 日本➖アイルランド@エコパ)

…念のため、レインジャケットとモバイルバッテリーを持とう。
私の支度はいつも直前。
この時も前日の深夜に支度を始めました。
ただ。
…ジャージとキャップは、これとこれ。
この2つだけは、決まっていました。
そう、2005年、アイルランドにボロ負けした時にも着ていたジャージ。
「アイルランドにリベンジだ~」なんて気持ちがあったわけではなく、
…苦しい時に着ていたジャージで、晴れの舞台を思い切り楽しみたい。
それだけでした。
 
 
ご無沙汰しています。
今回は、久しぶりの観戦となった、ラグビーワールドカップの日本対アイルランド戦を書いていきます。
なにせ、あのとおり、歴史的な試合になったから…
 

日 本 19−12 アイルランド

 
(以下、長文です)

この日は最初から驚きの連続でした。
新幹線に乗ると、そこはラグビーのジャージ(主に日本)を着た人達に埋め尽くされていて、直前まで話題にもなっていなかったことが信じられないくらいでした。
 
掛川駅に着くと、それに暖かな歓迎が加わりました。
 

Photo_20191006000201

このようなジャージのほか、プリンやお茶をいただいたり、そして何より係員(ボランテイア?)によるハイタッチの嵐。
その雰囲気にちょっと驚きました。
 
 
さて、掛川駅からはバスであっという間
…でしたが、降車場からスタジアムまでは1km余り。
歩いていると、曇っているのに、すぐに汗をかいてしまいました。
「この湿度(の高さ)でどうなるか」
この言葉には、2つの意味があります。
試合で、少しでも日本に有利な点を見つけることと、蒸し暑さから気をそらす(略
 
 
席に着くと、周りは全て日本人。
…そりゃそうか。静岡県民枠だもんな。
ところが、間もなく、少し前の席にアイルランド人がやってきました。
…何者なんだ、この人は?
 
やがてナショナル・アンサムになると、このアイルランド人は「アイルランズ・コール」を知らないようで、日本人から歌詞カードを借りて歌っていました。
ただ、サビの部分だけ(おそらくそこだけ知っていたんだろう)は熱唱!
ちょっと呆れました。
「(知ってる歌詞は)自分と大して変わらないじゃないか!」
本当に、一体、何者だったんだろう??
 
さて、試合の話。
先発メンバーは…下の公式ページでご覧ください(手抜き)。

https://www.rugbyworldcup.com/match/japan-ireland

 
前半:
アイルランドの深いキックオフで、試合開始。
日本は前半、メインスタンドからみて左から右に攻めます。
 
「先に点を取りたいな」
そう言い合ったのは、格上のアイルランド(※)に対し先手を取ることで、少しでも自分達のペースで戦いたかったから。
※試合前に、公式アプリで確認した情報によると、ここまで日本の0勝7敗。

実際、日本に先制のチャンスがありました。
裏に蹴られたボールに松島が飛び出したり(前半3分頃)、ペナルティゴールを獲得したり(前半6分頃)。

これらの「先に点を取」るチャンスを逃すと、前半8分頃、今度はアイルランドがチャンス。
こちらの22m付近でペナルティを獲得すると、右サイドへキック。
最初はタッチキックに見えましたが、ウイングが猛然と突っ込んでいきます。
…危ない!キックパスだ!
拾われたらそのままトライという場面でしたが、幸運なことに、ウイングがキャッチしてから外に出たという判定。
あわやトライのピンチが、こちらのラインアウトに変わりました。

前半13分頃、アイルランドが日本陣22m付近でペナルティを獲得すると、このアドバンテージで再びキックパス。
先ほどと同じような場所に蹴られたボールは、今度は13番がキャッチして、トライ。
先のアイルランド人が飛び上がって叫んだ後、周りを見て「スミマセン」と言って座りました。
コンバージョンは外れたものの、0-5。
…やはりきついか。
…弱点を研究されているのかな?
そんな思いが交錯します。
 
 
直後の、日本のキックオフ。
「浅く蹴ってきた!」
競り合ってマイボールにしようという意図通り(たぶん)、マイボールにします。
すると、ここからアイルランドがオフサイド。
ここでも日本はショットを選択して、今度は成功。3-5。
すぐに取り返すことに成功しました。

もっとも、アイルランドもすぐに反撃。
前半20分頃、22mの中深く攻め込まれると、今度はショートパント。
競り合いの中からアイルランドの選手がキャッチして、トライ。
今度はキックも決まって、3−12。
 
直後の日本のキックオフ、ボールを獲得したアイルランドは、反対側(アイルランドの右サイド)のウイングにキックパス。
「ここから、それかよ!」
立て続けのキックパスに苛ついているところへ、今度は自陣22m内でのキックパス。
弱点を通り越して、
…相当、舐められてるな。
などと思います。
 
前半25分頃、
…お、うまくバックスに展開した。
一度は止められたように見えましたが、1人がショートサイド、右の隙間を抜け出して、キック。
「いけー!松島」
目の前でボールに向かって走る松島に叫びましたが、残念ながら先にアイルランドの選手がカバー。
惜しいチャンスを逃しました。
 
 
日本のゲームプランが狂ったように思えたのは、前半30分頃。
故障でマフィがアウト。替わって、リーチが入りました。
「前半のうちに、リーチを使いたくなかったな…」
そんなことを言われましたが、リーチが入ると大歓声。
まあ、自分もなんだけど。
そして、ここから流れが少しずつ変わっていくことになります。
自分達の不安とは逆の方に…
 
前半32分頃、アイルランド陣深く入ったところで、ペナルティを獲得。
ゴールまでわずかのところ、ショットをきっちり決めて、6−12。
「ペナルティゴールばかりだ」
そんな声が聞こえてきました。
ふいに、92年関東大学ラグビーリーグ戦、法政-大東大の試合を思い出しました。
あの時は、優勢と思われた大東大を相手に、強烈なタックルで接戦に持ち込み、ペナルティゴールによる得点だけで逆転勝ち…
…いや、まさか、そんな。
過剰な期待に思えて、頭から振り払います。
 
次第に、ニッポンコールが大きくなり、回数も増えました。
そんな前半39分ごろ、約40mの所で、日本がペナルティを獲得。
「ショット、ショット」
そう言ったのは、残り時間から前半最後のチャンスに思えたから。
実際、このペナルティゴールを決めて、9-12。
キックが決まった瞬間、立ち上がって叫びました。

日本の勢いは続きます。
直後のアイルランドのキックオフから、左サイド深く攻め込んで、グラバーキック。
これに追いつければトライ…と言う場面でしたが、タッチを割って前半終了。9-12。わずか3点差でハーフタイム。

目の前のアイルランド人が立ち上がって拍手を送るより早く、立ち上がって叫んでいました。
「いいぞ、よくやったぞ!」
戻ってくる選手に、そう叫びました。
もっとも、後で、
…「逆転してくれ!」の方がよかったかな?
そう思ったくらいの善戦でした。

 
ふと、2002年のサッカーワールドカップ、日本-トルコ戦を見た外国のライターが、点を取り合った直後の雰囲気に感動した話を思い出しました。※
※「ジャパンはなぜ負けるのか」(NHK出版、2010年)だったと思う。
 
それで、
「ワールドカップを初めて見た気がするよ」
そんな言葉が、口をついて出ました。
サッカーワールドカップの時には日本代表の試合を観ていなかったせいか、両国のファンが盛り上がっているのを初めてみたせいか、はたまたラグビー特有の何かか…
 
あ、もちろん、ちゃんと試合のこともツイートしてます。

もっとも、ツイートした後で、これには疑念が湧いてきました。
アイルランドにトライを重ねられた時には、
…アイルランドは、うまく日本の弱点を衝いてくる。
そう思っていたのですが、次第に、
…アイルランドは、FW周辺でのコンタクトを嫌がっているのではないか?
そういう疑念が湧いてきました。

アイルランドのビッグフラッグがスタンドを渡って行く独特の雰囲気の中、後半が始まりました。
 
 
後半:
後半は日本のキックオフ。
日本はメインスタンドから向かって、右から左に攻めます。
 
後半に入っても日本の流れは続いているようでした。
もっとも、ボールを支配している割には、なかなかトライのチャンスは訪れません。
 
後半7分頃、私達の目の前でハイパントを競った山中が、足を押さえて痛みます。
…ヤバい。
しばらく治療したものの、結局、交代。
代わりに入ったのは、福岡。
福岡の名前がアナウンスされると、大きな歓声が起こりました…リーチが入った時のように。

激しい戦いをしながらも、どちらも点を取れない状況が続きました。
アイルランドがペナルティで深く攻め入ったかと思えば、ラインアウトを失敗したり、松島にカウンターを食らったり。(後半9分頃)
日本も獲得したペナルティで、40m以上のショットを狙うも外したり。(後半12分頃)
そんな時、ビジョンに表示された一つの数字にどよめきが起こりました。
「(日本の)支配率7割だって!」
…いける!
その感覚に、歓声はますます大きくなります。
 
…自分は一体、何を見ているんだろう?
時々、我に帰ってはそう思いました。
…本当にラグビーの試合か?
…この満員のスタンドはなんだ?
…この大歓声はなんだ?
そして、何よりも、
…これは本当に、あのBrave Blossomsなのか?
 
そんな思いとは裏腹に、スタジアムの雰囲気は加熱する一方。
セットプレーでプレーが止まるとそこかしこからニッポンコールが起きるようになり(中には自分が始めてしまったのもあった)、それは大きな波となって長く続きました。

 

後半17分頃、アイルランド陣深くで獲得したスクラムから展開。
…まだ届かないのか。まだか。
ジリジリしながら、ボール付近とビジョンを交互に見つめます。
と、飛ばしパスと素早いパスから、福岡が左サイドを抜けて、トライ!
さらに角度のない難しいコンバージョンも決まって、16-12。
ついに、アイルランドを逆転しました!
 
直後、アイルランドに深く攻め込まれますが、反則で逃れると、今度は日本のチャンス。
 
アイルランド陣内でアドバンテージを得た日本は、
…ドロップゴール!
「ええ…」
思わず崩れ落ちたのは、やや遠目(40mくらい?)から狙ったにしても、ゴールとはとんでもない方向に飛んでいったから。
「いくらなんでも、あそこへいくか」(素人の勝手な意見)
 
もっとも、この後のペナルティゴールを決め、19−12。
と、冷静に書きましたが、実際には副審が旗を上げた瞬間、飛び上がるくらい興奮していました。(後半30分頃)
 
残り10分を切って、トライ1本差!
高まる期待に、エコパは異様な雰囲気に包まれました。
直後のアイルランドの攻撃をゴール前で何度も止め、耐える日本。
 
そんな後半35分過ぎ、アイルランドのパスを福岡がインターセプト!
「いけ!いけ!」
一気に駆け上がる福岡に、立ち上がって叫ぶ一方、目の前のアイルランド人が崩れ落ちた。
 
福岡は最後に追いつかれ、トライにはあと一歩、届きませんでした。
それでも、ゴールポストの真下近くまで運んだことで、期待が確信に変わりました。
それは誰もが同じようで、気がつくと、全員総立ち。
そして、大きな声援を送っていました。

後半40分を過ぎ…
…え?蹴った??
一瞬、混乱しました。
…ノーサイドだよな、勝ったんだよな?
一度、周囲を確認してから、叫びました。
 
ノーサイド。19−12。
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歓喜の瞬間を1枚…のはずが、信じられないくらいひどい1枚になってた…

 
前のアイルランド人は「congratulation」と隣の人に声をかけてから、そそくさと席を立ちました。
帰りの時間が気になる私達も、すぐに席を立…
つのも忘れ、ひたすら雰囲気に浸りました。

 
選手のあいさつが終わった時(万歳が起こるくらい、盛り上がった)、アナウンスが流れました。
「え?花火?」
バックスタンドの向こうから打ち上げられる花火は、それは派手な花火で、日本の赤とアイルランドの緑を基調にしているように思えました。
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…こちらの写真もひどいものだ。
 
間もなく、ビジョンにハイライト映像が流れて見入っていると、花火の燃えかすが飛んできました。
それに続いて、白煙がピッチを覆い、あっという間に視界を閉ざしました。
まるで、全てが夢であったかのように…

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もっとも、外に出てからも「夢」は続いていました。
係員と何度もハイタッチをかわしながら歩いていると、そこかしこで、アイルランド人が「congratulation!」と言っているのが聞こえました。
それを見て、
「ワールドカップを初めて見た気がするよ」
もう一度、言いました。
 

そんなこんなで、掛川駅に着いたのは20時頃。
その時間でも係員(ボランティア?)が何人もいて、やっぱりハイタッチをしていました。
 
掛川駅新幹線のホームを歩いていると、ジャパンのシャツを着た白人男性がハイタッチを求めてきました。
それに応えた刹那、彼が言いました。
「Biggest day!」
「Yeah!」

そうして、互いに反対方向に別れました。

 

その後、ガラガラになった喉にビールを何本も流しこんで、いつの間にか寝ていました。
 
翌日、体調不良に陥ったのは言うまでもない…

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